いつものように電源ボタンを押して、パソコンを使おうとした時、一瞬、電源が入るだけ切れてしまったり、作業を始めた途端、すぐに電源が切れてしまうと焦ってしまいますよね。「壊れたの!?」と思い、慌ててしまう人も多いのではないでしょうか。
故障の中でも電源トラブルは、様々な原因が考えられ、何の前触れもなく発生することが多いです。ここでは一瞬で電源が切れてしまう場合の原因と、できれば改善させるための方法をご紹介いたします。
原因
原因 | 対処方法 | 対応難易度 |
---|---|---|
ハードウェア側の問題 | ||
延長コードによる電力不足 | 延長コードの状態を確認する >対処方法を確認する |
初心者:★ |
電源ケーブル類の問題・劣化 | 電源ケーブル類やコンセントの接続を確認する >対処方法を確認する |
初心者:★ |
バッテリーの充電不足・劣化 | ノートパソコンの場合 | |
バッテリーの状態を確認する >対処方法を確認する |
初心者:★ | |
帯電による一時的な誤作動 | パソコン内部に溜まった電気を追い出す(放電) >対処方法を確認する |
初心者:★ |
CPUファンとヒートシンクにホコリが溜まっている | CPUファンのホコリを掃除する >対処方法を確認する |
中級者:★★★ |
起動時に警告が表示される、またはエラー音が鳴る | ||
パソコン内部の各パーツの故障 | この症状で故障が予想されるパーツを確認する >対処方法を確認する |
上級者:★★★★★ |
対処方法を試す場合は、必ず自己責任の上で行ってください。
万が一、症状が悪化しても当サイトでは責任は持てません。初心者や自信がない方は、パソコンの専門知識を持ったメーカーや販売店・パソコン修理業者に相談することをお勧めします。
6つの対処方法
この症状の場合、何度やっても確実にすぐに電源が切れてしまうのか、それとも起動はするけど、作業中に突然、電源が切れるてしまうのか、この点を切り分けていかなければいけません。
何度、電源を入れてもすぐに切れてしまう場合
- 電源を入れた時にCPUファンが回っているか確認しましょう。ファンが回っていなければ、故障している可能性が高いと考えられます。
- CPUファンからいつもと違う「ブオオォォォ」というノイズ音に近い異音がしている場合もファンの故障が考えられますので、原因の切り分けの判断材料として下さい。
- パソコンの使用年数が長い場合、CPUファン(ベアリング含)やヒートシンクのグリス切れにより、電源が切れる現象を発生させていることがあります。またCPUファンのベアリングが劣化している可能性も考えられます。この場合は、グリスの塗直し・交換が必要になってきます。
いずれの場合も上級者以外の方が直すにはレベルが高いので、メーカ・販売店のサポート、パソコン修理業者へ1度相談してみましょう。
起動はするけど、作業中に突然、電源が切れる場合
- パソコンを使用している時だけ、突然、電源が切れる場合は「パソコンの起動・電源トラブル」にある突然、パソコンの電源が切れるを参考にしてみて下さい。
- CPUファンやヒートシンクの周りにホコリが溜まっていると、パソコン内部の熱を逃がすことができず、正しく放熱が出来なくなってしまいます。そのまま使い続けると、その他のパーツの故障原因につながりますので、パソコン本体のケースを開け、ホコリが溜まっていないか確認しましょう。
どうしても怖くて、パソコンの内部を掃除することが出来ない方もいると思います。掃除を行ってくれるメーカーや販売店、パソコン修理業者もありますので、1度相談してみましょう。
1.延長コードの状態を確認する
初心者:★
電源確保のために延長コードを使用している方は多いと思います。ただパソコンの電源トラブルが発生する場合、延長コードの故障などが原因であることが意外とあります。
延長コードによる原因
- 使用している延長コードのワット数が足りていない。
- 過度のタコ足配線を行うと電源供給が不安定になることがある。
- 特定の差込口が壊れている。
- 延長コードが内部で断線している。
原因の切り分けにもなりますので、この場合、延長コードを使用せず、直接、壁のコンセントから電源を取ってみましょう。これで直るようなら原因は延長コードになります。
詳細を知りたい方は、「パソコンが起動しない・電源が入らない時に試したい基本対処方法」の延長コードの状態を確認するの項目で紹介していますので、参照してみて下さい。
2.電源ケーブル類やコンセントの接続を確認する
初心者:★
具体的な原因の切り分けに入る前にパソコン本体側や・コンセント側の接続が外れかけていないか、まずは電源ケーブル周りを確認してみましょう。
きちんと接続しているつもりでも、意外とコネクタに挿さりきっていないことがあります。1度、抜いて、挿し直してみましょう。
どこを確認すればいいか解らない場合は、「パソコンが起動しない・電源が入らない時に試したい基本対処方法」の電源ケーブル類やコンセントの接続を確認するで、詳細に説明してます。初心者の方は、特に参考にしてみて下さい。
3.バッテリーの状態を確認する
初心者:★
ノートパソコンの場合、バッテリーの充電不足や劣化により、電源トラブルが発生していることがあります。原因がパソコン側にあるのか、バッテリーにあるのか確認してみましょう。
原因を切り分ける為に、1度、バッテリを取り外した状態で、ACアダプタと電源ケーブルのみを接続して、パソコンを起動させます。
どうすれば良いか解らない方は、「パソコンが起動しない・電源が入らない時に試したい基本対処方法」のバッテリーを外して起動するで、手順を紹介していますので、こちらを参考にしてみて下さい。
4.パソコン内部にたまった電気を追い出す(放電)
初心者:★
パソコン内部に不必要な電気が溜まって、動作が不安定になったり、正常に起動しないことがあります。放電して直る場合は、パソコン本体側に原因があると考えられます。
メーカーや販売店のサポートに電話しても勧められる対処方法で、症状が解消される可能性があります。詳細は「パソコンが起動しない・電源が入らない時に試したい基本対処方法」のパソコンを放電する方法で紹介していますので、1度、試してみましょう。
5.CPUファンのホコリを掃除する
中級者:★★★
CPUやファンに何かしらのトラブルが発生すると、パソコンによっては、起動時の黒い画面に下記の様な警告がメッセージが表示されます。またBIOSによってもBEEP音で知らせてくれることもありますので、これらのメッセージやBEEP音がしたら、まずCPUかファンに何かしらの問題が発生していると考えましょう。
CPUファンエラー警告メッセージ
- ・CPU Fan Error! Press F1 to Resum
- ・CPU Fan Error! Press F1 to Run STEUP
- ・CPUファンエラーまたはCPUファンが接続されていません
CPUファンエラーのBEEP音
BIOSの種類 | BEEP音 | エラー内容 | 確認したほうがいい場所 |
---|---|---|---|
AWARD | 高い音の長音が長く続く | 熱の問題 | ファン、内部のホコリ |
AMI | 短音×5回 あるいは 7回 | プロセッサーエラー | CPU、ファン、マザーボードの場合も有 |
UEFI | 高い音と低い音が繰り返し鳴る者 | ファン | 内部のホコリ |
CPUは、パソコンの心臓部となり、使用すると発熱する構造になっています。その熱をファンを使って、冷やすことが必要になります。冷却が十分でなく、内部に熱がこもり過ぎると、CPUは熱による破損を防ぐ為、自動的に停止します。これが突然、電源が切れてしまう原因です。
1度、パソコンのケースを開けて、CPUファン・ヒートシンクなどにホコリが溜まっていないか確認してみましょう。場合によっては、ファンが回らなくなるほど、ホコリが蓄積されていることがあります。
この場合、エアーダスターなどを使ってホコリを取り除けば、CPUは正常に冷却されるようになり「いきなり電源が切れる」ことは減ると思われます。
初めてパソコン内部の掃除に挑戦してみようという方は、パソコン内部の掃除方法【デスクトップ編】で掃除方法を紹介していますので、参考にしてみて下さい。
※ただし保証期間内の方は、むやみに開けず、メーカーや販売店に一度相談してみましょう。
ワンポイントアドバイス
ただし掃除を行っても、CPUファン自体が外れかかっていたり、劣化していたりすると、症状が改善しないこともあります。
また、CPUとファンの間には「シリコングリス」と呼ばれる導熱剤が塗られています。何年も使っているパソコンだと、この部分が劣化し、熱がうまく伝わらなくて「落ちる」場合もあります。ファンを掃除したのに効果がない場合は、シリコングリスの塗り直しも検討してみてください。作業はファンを取り外して、グリスを塗り直すだけですが、「ファンの分解なんて出来ない…」という場合には、迷わずにメーカーや販売店、パソコン修理業者に相談しましょう。
6.この症状で故障が予想されるパーツを確認する
上級者:★★★★★
ここまで出来る限りの対処方法を試しても症状が改善しない場合、パソコン内部のパーツの故障が考えられます。
デスクトップパソコン・ノートパソコン共通
- ・電源ユニット
- ・マザーボード(M/B)
マザーボードのCPUファン回転制御回路の故障、コンデンサ等の焦げ・膨張 - ・CPUファン
ノートパソコンのみ
- ・バッテリー
- ・ACアダプター
上級者ならパーツ交換ができる方もいると思いますが、自信の無い方は無理せずに、メーカや販売店、パソコン修理業者に相談しましょう。
ネットの執事さんからのアドバイス
CPUファン・ヒートシンクは、パソコンの心臓部でもあるCPUを守る為、内部に溜まる熱を外に送り出しています。ホコリでこの通路を塞いでしまうと、大事な役割が果たせなくなり、パソコンの故障を引き起こしてしまいます。
デスクトップパソコンの場合、本体を机の下に入れている人も多いと思いますが、机の下などに置いていると、排気口などからパソコン内部にホコリが入りやすく、開けて中を確認してみると、ホコリで一杯ということもあります。
またホコリが溜まると静電気が起こりやすくなり、大事なデータが保存されているHDDが飛んでしまう原因にもなりかねません。
ただ、パソコン内部の掃除は慎重に行わないと、壊してしまうリスクもあります。ホコリがあれば、綿棒などでゆっくり取り除くなどして、決して水を塗らした雑巾など、水気のあるものは使わないようにしましょう。
ここで紹介した対処方法を試しても直らない場合、ハードウェアの故障になりますので、自分で修理するには限界があります。メーカ・販売店のサポート、パソコン修理業者に修理を依頼しましょう。
最後にパソコン修理業者さんから聞いた稀なお話ですが「マザーボードの上で虫が焼け焦げた状態なっていたことがあり、それが故障の原因だったこともありました」という故障事例もあるようです。色々なことが原因でパソコンは故障してしまうので、日々のメンテナンスは、しっかり行うようにしましょう。
早く修理に出したい気持ちもわかりますが、修理に出す前に確認しておきたいこと・決めておいた方が良いことが色々とあります。特に初心者の方には、修理を依頼する時の悩みや疑問の解決にもなると思いますので、下記の記事を参考にして、修理に出してみましょう!