どんな修理でも4,980円!悪質パソコン修理業者による高額請求とその手口

2017年1月20日(金)、TBS番組のNスタ「特命取材班マルトク」で放映された「困惑…高額請求なぜ!? パソコン料金トラブル悪質修理業者を追う!」で大きな波紋が広がっています。

「Nスタで紹介されていた悪徳パソコン修理業者はどこ?」「悪徳パソコン修理業者のO社って?」と、放送直後からネットで検索する人が後を絶たない状況。

このO社は、いったい何が問題だったのか? 実際のニュース動画がこちらです。

【追記】2017年3月
現在、動画元は削除されています。

パソコン修理業者O社の問題点

ニュースに取り上げられたO社が問題となっているのは、見積もり料金・修理料金の表記の曖昧さ、一般的ではない見積もり方法、そして、その後の脅しとも捉えられる対応。

利用した消費者は、サイトを見て修理費が安かったので依頼したが、当初の見積もりより修理費が高く、検討の結果、修理をキャンセルすると、脅しとも取られる方法で、キャンセル料を請求されたと語り、「キャンセル料で儲けを得ている会社ではないのか?」と疑念を抱かせています。

実際にO社のサイトを見ると、確かに消費者が誤解してもおかしくない表記や曖昧さが目につきます。

―業界初―パソコン修理が均一価格。どんな修理でも4,980円

確かにこの書き方だと、パソコンに詳しくないユーザーは、4,980円という格安で修理が出来ると勘違いして、依頼すると思います。しかし、よく見ると「表示の価格は1作業毎となります。送料と部品は別途必要です。」と重要なことが小さな文字で記載されています。

これに気付かず、パソコンを送ると、その後、O社から修理費用の見積もりが届きますが、当初予定していた金額より予想を超える額の為、この時、多くの方が修理をキャンセルしてしまいます。

そして初めて、O社で修理をキャンセルするには4,000円~10,000円のキャンセル料が必要になることを知りますが、送ったパソコンを人質に4日以内にキャンセル料を払わないと、パソコンを廃棄すると、脅しとも捉えられるメールが送られてくる為、慌ててキャンセル料を支払ってしまうのです。

何故、消費者はパソコンをO社に送ってしまうのか?

他のパソコン修理業者では、まず電話で故障原因や症状を詳しく聞き取り、おおよその概算見積もり(仮見積もり)を出します。その後、パソコンを送ってもらい、故障しているパソコンを実際に確認して、見積もりを行い、消費者が費用に納得したら修理の依頼を受けるというのが、一般的な流れになっています。

  1. 故障しているパソコンの症状を電話で詳しく聞き、おおよその概算見積もり(仮見積もり)を出します。
  2. パソコンを送ってもらい、故障しているパソコンを実際に確認し、故障原因を突き止め、見積もりを出します。
  3. 見積もりの修理費用に消費者が納得すれば、修理の依頼という流れになります。
  4. 費用に納得ができない場合は、パソコンを発送したのであれば、送料を消費者が負担して、修理をキャンセル。
    ※この時に必要になるキャンセル料・診断料・送料については、業者によって異なります。

O社の場合、どんな修理でも「4,980円!」キャンセル料は「原則、必要ございません。」とサイトでうたっている為、それを信じて、送ってしまうのです。

しかし「原則、必要ございません。」の文章の後には、特定の条件の場合、キャンセル料が発生することありますと、分かりにくく記載しています。その為、多くの方がパソコンを送った後にキャンセル料が必要なことに気付き、トラブルになっているのです。

故障したパソコンは、均一価格で修理できるのか?

パソコンを修理する技術者の方でも、発生している症状から故障している原因を予測することはできても、即座に断定することは難しく、実際に故障しているパソコンを確認してみなければ、判断できません。そして故障原因によってかかる費用は、当然、変わってきます。

例えば、デスクトップパソコンで、電源が付かない故障が発生した場合、簡単に予測できる原因だけでも、パソコンの中にあるパーツ(マザーボード、電源ユニット…など多数)が壊れているのか、そもそもパソコンに差している電源コードが断線しているだけなのかは、実際に故障しているパソコンを確認してみなければ、判断できないのです。

  • マザーボード交換(メーカー修理の場合:6万円程)
  • 電源ユニット交換(メーカー修理の場合:3万円程)
  • 電源コード交換(自分で交換可能:近くの大型家電量販店で新品を1,000円程で購入)

このたった3つの原因だけでも、これだけ費用に差が出ているのに、料金を均一表記していること自体、消費者にとっては、不親切で過大広告のようにも感じます。

ネットで拡散されているO社の被害

以前からネット上では、O社とのトラブルを訴える書き込みが、いくつか報告されています。

  • パソコンを没収され、修理もされず、入金したお金も返ってこない事態になっています。
  • 修理をキャンセルするから、パソコン返せと言ったらキャンセル料+税金+期日指定の返却料+送料を払わないとすぐに返却しないと言ってきた。
  • 修理を依頼したら栃木県日光市からPCが返送されてきました。当然修理前より状態が悪くなっていました。

O社について(参考:YAHOO!知恵袋より引用)

実はO社は、かつて「なおしの達人」という会社名で運営していたものの、悪い評判が広がったので、現在の社名に名前を変えたとも言われています。もしO社に修理を依頼しようと考えている人がいれば、「O社について」のYAHOO!知恵袋に寄せられている声を参考に検討してみるようにしましょう。

まとめ

去年の夏にもPCデポで、80歳を超える認知症の高齢者に対して、パソコン10台分の不要とも思える修理サポート契約を結ばせていたことが話題になりました。

パソコンやスマホが故障すると、修理は専門科に頼らざる得ない状況ですが、パソコン修理に関する料金トラブルは、2年前に比べ急増しており、消費者センターには多くの相談が寄せられています。

こういったパソコン修理業者に依頼して、同じトラブルに遭わないように注意しましょう。

【追記】2017年3月
ニュース報道後、変化があったのか気になり、実際にオープンリペアで本見積もりまで取ってみました!

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