2016年11月、イギリス政府は国内におけるアダルトサイトのアクセスを完全規制する方針を固めたことが、21日までに明らかとなりました。
海外での出来事にあまりピンとこない方も多いと思いますが、イギリスといえば2016年に開催されてた世界経済フォーラム(World Economic Forum)「世界で最もデジタル化が進む国TOP10」にもランクインされるほどのインターネットの普及率。
139ヵ国中、イギリスは8位で、ちなみに日本は10位にランクインされています。
そんなデジタル最先端の国イギリスで、一体、何が起こっているのか?
現地で販売されている1913年創刊イギリスの高級週刊誌「New Statesman」の公式サイトから該当の記事を読み解いてみました。
年齢認証が必須!?アダルトサイトのアクセス規制
2016年11月22日「New Statesman」では、今回の法案について、The UK is entering a draconian era of porn prohibition(英国はポルノ禁止の厳しい時代に入っている)という見出しから始まり、取り上げています。
2016年7月、最初に議会で導入されたこの法案は、18歳未満の子供がアクセスできないようにするために、アダルトサイトなどの有害なウェブサイトに対して、年齢認証を強制すること目標に進めていました。しかし、更に年齢認証を行わない全てのウェブサイトを英国で禁止するという新しい措置が発表されました。
NewStatesman(公式サイトより引用:和訳)
「インターネット上の有害なコンテンツから子供たちを保護するため、政府は尽力しており、そのためにこの法案がある。成人だけが閲覧を許される環境を整えなければならない。」と文化・メディア・スポーツ相のKaren Bradley(カレン・ブラドリー)氏は語った。
NewStatesman(公式サイトより引用:和訳)
つまりイギリスでは、年齢認証を行わないアダルトサイトなどは全て違法になるというもので、施行されると確かに非常に厳しい内容です。
成人を識別する管理案として、年齢認証の上、各成人に対して個別にIDを配布し、アダルトサイトへのアクセスにはIDが必須になるということです。日本国内でお酒やタバコを買う時には免許証の提示・自販機でタバコを購入するには、成人識別ICカード:taspo(タスポ)が必要みたいなものですね。
政府が管理するということであれば、日本でいうマイナンバーのようなものを想像してしまいます。
ただ個人的な意見を云えば、お酒やタバコを買うのとは違い、アダルトサイトを閲覧するのに識別されるのは、あまり気持ちの良いものではありません。
もちろん、この厳しい法案には、反対の声も上がっています。
「規制に対応しないサイトを違法すると、コンテンツが内容が合法であるにもかかわらず、何万ものウェブサイトがブロックされる可能性が出てくる。このようなことは先進国では前例のない事態だ。子供たちを保護することは重要だが、この法案はやり過ぎている。違法で有害なサイトのみをアクセスできなくするべきだ。」とOpen Rights GroupのJim Killock(ジム・キロック)氏は反対意見を述べています。
NewStatesman(公式サイトより引用:和訳)
他の国に比べ、有害サイトから子供を守ることに力を入れているイギリスでは、以前からアダルトサイトに関して、諮問機関が作成したブラックリストを国内の全プロバイダーに配り、未成年者がアクセスできないようにペアレンタルコントロールをかけていました。ただこの方法では、厳格に管理が出来ない為、今回の法案が議会で導入されることになったと思われます。
今後、この法案がどうなっていくのか、とても気になるところです。
まとめ
今回はイギリス(英国)での話題をご紹介しましたが、日本で発生しているアダルトサイトのワンクリック詐欺によるトラブルは、成人に満たない子供たちも被害に遭っています。
10歳頃から思春期に入り始めると、親が知らない間に興味本位でアダルトサイトを閲覧することもあります。運悪く詐欺に合ってしまっても、どうしても親に相談することが出来なくて、貯めていたお小遣いやお年玉で払ってしまう子もいるようです。
閲覧するコンテンツなどを制限する「ペアレンタルコントロール」や「コンテンツアドバイザー(IE)」などもありますので、日本で思春期の子供を持つ方は、積極的に利用して未然に防いであげましょう。
男性からすると悲報に感じるようなイギリスの話題でしたが、もしかしたら日本もいつか年齢認証でアダルトサイトが規制される日が訪れるのかもしれません。